「コノレイジョウ、ヒロッタ」
「フィル……シェイクの真似してもダメよ。ってその令嬢……隣国の王家の子ね」
「えっ……何でわかったの?言ってないのに」
「あぁ、私はこのシェイクの母親やってるのよー。この子、何でもって動物ね?拾ってくるから、その事情とかわかるようになっちゃったのよー」
「私は拾った動物と同じレベル……」
「まぁ、そうだな」
「コラ、シェイク!」
母上に怒られた。
「あぁ、このレーカは俺よりもフィルの方が気に入っている」
「だってー正直、フィルの方が頭がいいじゃない?」
図星だけど、心が痛い……。
「俺は……シェイクが婚約した後じゃないと、婚約したくない」
公じゃないけど、王家同士の結婚になるんだけどなぁ。
「そうだ!私の友人をシェイクに紹介しましょうか?そうしないと私はフィルと結婚できないみたいだし。貴方も、適齢期でしょうし」
‘適齢期’は結構前から言われてる。
「俺の査定は厳しいぞ。見た目もそうだが、心根だな。ここの動物がダメとかいうのはお断りだ。動物も愛せないようじゃNG」
「それは厳しいですね。見た目とかはパスできそうですけど、ここの動物はどうかな?そもそも令嬢ってのは動物に触れあうことがないですからね。最高で馬車の馬でしょうか?」
「だろ?俺が提示した条件を備えた令嬢ならOK」
ふっ、かなり無理があるだろう。どうだ、参ったか。俺はこの家をフィルに継がせるのがひそかな目標だ。
「レーカの紹介ってことは隣国の令嬢か?」
「私は王族から平民まで幅広く友人がいるわ!」
自慢げだが、俺に拾われた時点で何か問題があるのだろう。王族の中で問題か?面倒だな。
「で、レーカの問題って何だ?レーカは非嫡子とか?」
「失礼ね!嫡子よ!王位継承権だって持ってるんだから」
俺は怒られた。しかも、母上に睨まれた。母上曰く、「シェイクはストレートでデリカシーがない」だ。
「「で、シェイクに合う友人は思い浮かぶ?」」